2016年6月7日火曜日

57歳の若さで急逝したプリンスの死因は、フェンタニルと呼ばれる強いオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取だった

プリンス、死因は鎮痛剤の過剰摂取であることが判明

2016年06月06日 19時38分



4月21日に57歳の若さで急逝した音楽界の伝説、プリンスだが、その死が、オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取によって起きたことが先週公式に発表された。

プリンスことプリンス・ロジャース・ネルソンは4月21日、ミネソタ州ミネアポリス近郊のチャナッセンにある、スタジオなどを有する自身所有の複合施設ペイズリー・パークの住居部のエレベーターの中で倒れていたのを発見された。救急の連絡を受けて保安官と共に駆けつけた救急隊がすぐに心肺蘇生を試みたものの、蘇生することなく、到着して19分後の現地時間で朝10時7分に死亡が確認され、後に遺体がプリンスであることが確認されたという。

死の状況について不明な点が多かったために調査に時間がかかり、様々な憶測も呼んだが、先週になって検視結果が明らかになり、フェンタニルと呼ばれる強いオピオイド系鎮痛剤を過剰摂取したことが死因だったと発表された。オピオイドは、元々はケシから採取される天然アルカロイドから生成された鎮痛剤で、慢性痛に処方される。鎮痛作用が強いものの副作用も強く、また依存性が強いため、過剰摂取による死亡者が多く、薬物依存になりやすい点などが特に近年アメリカで社会問題となっている。他殺や自死の可能性は見られず、プリンスも、誤って過剰に摂取した事故死と断定されている。

オバマ米大統領は先月、週間演説の中で、処方薬で薬物依存になったことを明かしたラッパーのマックルモアと共に、オピオイドなどの処方鎮痛剤の依存の危険性について語った。また、今回の発表を受けて、10代の薬物やアルコール乱用を抑止する活動をしている非営利団体パートナーシップ・フォー・ドラッグフリー・キッズのCEOは、現在アメリカでは平均して毎日78人がオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取によって亡くなっていると再度警鐘を鳴らしている。日本では違法薬物にあたるものも多く、オピオイド系鎮痛剤の一種であるオキシコドンを密輸したとして昨年、トヨタの女性役員が逮捕されたニュースも記憶に新しい。

プリンスが摂取していたフェンタニルは、麻酔導入などにも使用される強力、速効型の合成オピオイドで、その効果はヘロインの50倍とも言われるほど強力に作用し、副作用として重篤な呼吸抑制を起こしうるなどの危険性がある。一部報道では、プリンスは股関節、また足首や膝の痛みに長年悩まされていたとされており、シーラ・Eも以前からプリンスが股関節を痛めていたと証言。2000年から2007年までプリンスのツアーに参加していたスカイ・ダンシルもプリンスが股関節の痛みに悩まされており、また症状は悪化していく一方で、公演を行うために薬を飲んでいたと話している。プレゼンターを務めた2013年の第53回グラミー賞など、近年は杖をついている姿が見られていた。

プリンスは、地元ミネアポリスのハワード・コーンフェルド医師に鎮痛剤依存について相談していたと、医師の代理人が説明している。プリンスは4月7日にアトランタでの公演を予定していたものの、「インフルエンザのため」として公演を14日に延期。だが14日にアトランタでの公演を終え、翌15日に乗ったプライベート・ジェットの中で意識不明となり、イリノイ州モリーンの空港に緊急着陸、病院に搬送された。その際は「インフルエンザが悪化したため」と説明されていたが、病院では麻薬性の呼吸抑制や意識低下からの回復が期待できるナロキソンを投与されたと複数で報じられている。

その後、プリンスは意識を取り戻し退院したが、20日にはハワード医師に連絡し、すぐに診てもらうよう要請。だがカリフォルニア州に住むハワード医師がすぐに駆けつけられなかったため、翌々日の22日に医師が訪れる予定になっていたという。またハワード医師は、21日にミネアポリス内の医師が向かうよう取り計らったほか、ハワード医師の26歳になる息子のアンドリュー・コーンフェルドに、オピオイド依存の治療に使うブプレノルフィン系医薬品を持たせて先に向かわせた。アンドリューは9時30分頃にペイズリー・パークに到着したもののプリンスと連絡が取れず、スタッフが探したところエレベーターの中で倒れているプリンスが見つかったという。救急の通報は9時43分頃にペイズリー・パーク内からかけられたことが分かっているが、コーンフェルド家の代理人によれば、この通報をしたのはアンドリュー・コーンフェルドだったとのこと。

参照元 : bmr.jp






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