2020年11月16日月曜日

半グレが関与か!?セクシー女優の里美ゆりあ(35)が不良少年グループから強盗被害に逢う

進化した「半グレ」その犯罪の残忍な手口とは?〈暗号化アプリを活用、高齢者からセクシー女優まで標的〉


「1億円あるだろう。お金を出せば帰る。おれは人を刺したことがある」

10月26日、東京・目黒区内のタワーマンションの一室に少年グループが押し入り、セクシー女優の里美ゆりあ(35)を押さえつけて、そう言い放ったという。

「半グレ」の資金源はこれまで、高齢者に電話をかけて様々な手口でカネをだまし取る「特殊詐欺」だとされてきた。しかし、最近は手口が凶悪化している。

現金600万円が奪われたこの事件についても、警察当局は半グレグループのリーダー格が情報を収集して計画し、実行役をSNSなどで募集して犯行を実行させたとみている。

セクシー女優が強盗被害
事件が起きたのは、真っ昼間の午前10時半。里美の住むタワーマンションの一室に、宅配業者を装った強盗グループが押し入った。強盗グループは宅配業者のユニフォームで偽装してオートロックを開錠させてマンション内に侵入。玄関ドアを開けた里美の抵抗を押さえつけて、室内を物色。現金約600万円を奪って車で逃走した。

しかし、事件はあっけなく幕切れとなった。警視庁は防犯カメラの画像などから逃走車両を早々に割り出し、約5時間半後に神奈川県内で強盗グループの身柄を確保した。

逮捕されたのは、飲食店従業員などの17~19歳の3人の少年で、うち1人は高校生。車内に残されていた現金は400万円だけだった。

今回、被害に遭った里美は2008年12月にAV女優としてデビューして人気を集め、その後はテレビのバラエティー番組などにも出演。セクシー女優として芸能活動を続けている。事件後、各報道機関の取材に対して、「何も疑わずにドアを開けてしまった。怖かった」と振り返っていたが、「(強盗グループは)お金があるという情報をもとに襲撃したようだ」とも打ち明けている。


前出の警察当局の幹部は、「逮捕されたのは実行役に過ぎず、背後に指示役がいるはずだ」と語る。

「数時間後に身柄を押さえられたのに車内に残されたのが400万円で、残りの200万円は不明というところがポイント。背後に半グレグループに所属している指示役がいて、その200万円が渡っている可能性が高い。被害者の金銭状況や住所などの情報を入手した人物が、実行犯を募集してやらせたと考えられる」

資産状況を確認するアポ電強盗
凶悪化する半グレの犯罪グループによる資金獲得活動。その事実を、警察当局も明確に意識せざるを得ない事件が発覚したのは、2019年2月のことだった。

東京・江東区のマンションで、一人暮らしの女性(80)が自宅に押し入ってきた男3人に口や手足を粘着テープで縛られたうえ、室内を物色されるといった凶悪な事件が発生した。女性はその後死亡した。死因は窒息死だった。

事件では、20代の男3人が強盗殺人容疑などで逮捕された。この事件も警察当局は、半グレグループが関与したとみている。


事件前には資産状況などを聞き出そうとする電話が被害者宅に入っていた。同様の手口の事件は渋谷区などでも発生し、いずれも事前にアポイントメントの電話があったことから、「アポ電強盗」と呼ばれた。

これまでの特殊詐欺では、虚偽の話を信じ込ませて被害者に現金を用意させて「受け子」と呼ばれる受け取り役がだまし取る手口が横行していた。しかし、アポ電強盗は詐欺の口実などを考える必要がなく手っ取り早くカネを奪うのが特徴で、特殊詐欺が凶悪化、短絡化した手口ともされていた。

「詐欺の後に強盗」という二重の被害が発生したケースもあった。

今年4月、都内の80代の女性宅に2人組の男が侵入し就寝中の女性の口を押さえ金品を奪おうとしたが、女性が抵抗したために何も取らずに逃走した事件が発生した。女性は同年3月に甥を装った男の特殊詐欺の電話を信じて300万円をだまし取られる被害に遭ったばかりだった。犯罪グループの間で「あの家にはカネがある」といった情報が出回っていることが疑われた。

実際に、別の強盗事件で逮捕された男が、「(詐欺被害に遭った女性が住む)あの家には1000万円あり、あと700万円が残っているはずという情報があった」と供述していたことが判明。半グレの間で高齢者の資産情報が流通していることが裏付けられることとなった。

警察庁は今年2月、全国で昨年4~12月に事前に自宅での現金保有状況や資産状況を聞き出す不審なアポイントメント電話が約9万件、確認されたことを明らかにしており、その後はさらに増加しているものとみられる。

SNSで「闇バイト」募集
特殊詐欺からアポ電強盗へ――手口は変化しているが、情報を入手し事件を計画しているのは、半グレグループを中心とした犯罪集団と警察当局は見ている。

そして、彼らが使う詐欺の受け子や強盗の実行犯は、ネット上でSNSなどを通じて「闇バイト」の募集に応じているとみられる。強盗の隠語である「#タタキ」などのハッシュタグで集められ、事件後にはすぐ解散する。そのため離合集散が激しい。組織性はなくその都度、需要に応じて集まるためまさにバイト感覚といったところだ。

半グレグループなどに詳しい関係者によると、実行犯らとの連絡方法は匿名性の高い「シグナル」「テレグラム」というアプリが使われることが多い。この関係者は連絡に、この手のアプリしか使わないと断言する。最近は通信内容が暗号化されるために、記録をたどれないこともあり、どういった内容の指示がなされたか不明のままになる。

さらに、指示役と実行役が顔を合わせることがないよう、指示役が実行役を遠隔誘導することが多いため、詐欺や強盗などの事件で実行犯を逮捕することとなっても、指示役や上部組織に突き上げ捜査を進める際に障壁となり、実態解明は困難な情況となっている。

警察当局は、半グレに対する監視をさらに強めて、関連犯罪の撲滅に向けて捜査を進める方針だ。(敬称略)

参照元 : 文春オンライン



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